国民の為に貢献する作業員の方々の悲惨な状況を告発する記事一覧です。
皆さんはこれを見てどの様な感想を持たれましたでしょうか?


 原発作業員:被ばくでがん 労災10人
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2011/07/26/20110726k0000m040176000c.html

白血病と診断された後にもかかわらず、被ばく可能性のある作業に従事可能な「Y」(イエス)の印が押され、その後「N」(ノー)に訂正された嶋橋伸之さんの放射線管理手帳=池田知広撮影
 ◇9人は100ミリシーベルト以下
 東京電力福島第1原発事故で収束作業にあたる作業員が緊急時の上限250ミリシーベルトを超えて被ばくするケースが相次いだが、過去にがんを発症して労災認定された原発作業員10人のうち9人は累積被ばく線量が100ミリシーベルト以下だった。遺族からは福島第1原発の作業員を案じる声が上がる。 

 厚生労働省によると、10人は作業中に浴びた放射線を原因として労災認定された。内訳は白血病6人、多発性骨髄腫2人、悪性リンパ腫2人。累積被ばく線量が最も高かった人は129.8ミリシーベルト、残り9人は100ミリシーベルト以下で、最も少ない人は約5ミリシーベルトだった。

 ◇50ミリの息子白血病死 母の怒り
 中部電力浜岡原発の作業員だった嶋橋伸之さんは91年に白血病で亡くなった。29歳だった。神奈川県横須賀市に住む母美智子さん(74)は、体重80キロだった嶋橋さんが50キロにやせ衰え、歯茎からの出血に苦しんでいた姿が忘れられない。

 嶋橋さんは下請け会社で原子炉内計測器の保守点検をしており、累積被ばく線量は8年10カ月間で50.63ミリシーベルトだった。

 死亡の半年後に戻ってきた放射線管理手帳は、赤字や印鑑で30カ所以上も被ばく線量などが訂正されていた。白血病と診断された後も被ばくの可能性のある作業に従事可能なことを示す印が押され、入院中に安全教育を受けたことになっていた。安全管理のずさんさに怒りがわいた。

 「福島の作業員は命を惜しまずやっているのでしょう。でも、国や電力会社は家族の心も考えてほしい。『危ない』と聞いていれば伸之を原発になど行かせなかった」と美智子さん。「何の落ち度もない労働者が亡くなるようなことはあってはならない。上限値はすぐに下げるべきだ」と訴える。

 そもそも原発での被ばく労災が表面化することはまれだ。市民団体「福島県双葉地区原発反対同盟」の石丸小四郎代表(68)は震災前、福島第1原発の作業員6人の被ばくによる労災申請を支援し4人が認定されたが、実名を公表したのは2人だけ。「原発の恩恵を受けているとの思いがあり、狭い地域社会の中で補償支給を知られたくない人が多い」と指摘する。

 がん以外の場合には認定自体に高いハードルがある。福岡市の元溶接工、梅田隆亮(りゅうすけ)さん(76)は79年2~6月に中国電力島根原発(松江市)と日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)で働いた。その後、突然鼻血が出るなどの症状が表れ、慢性的な倦怠(けんたい)感が続いた後、00年に心筋梗塞(こうそく)で倒れた。

 被ばくが原因ではないかと疑念を深め、08年に労災申請したが、認められなかった。累積被ばく線量は8.6ミリシーベルト。再審査を請求している梅田さんは「原発労働者が事業者の都合にいいように扱われている。このままでは自分のようなケースがどんどん生まれてしまう」と懸念する。

 被ばくによる労災認定に明確な基準があるのはがんでは白血病のみ。「年平均5ミリシーベルト以上の被ばく」と「被ばく後1年以上たってから発症」の2点。他のがんは厚労省の検討会が判断する。【池田知広、関谷俊介、袴田貴行、西嶋正信】

毎日新聞 2011年7月26日 2時30分(最終更新 7月26日 9時26分)




 作業員が急性白血病で死亡=収束工事「因果関係なし」-東電・福島原発
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011083000368

 東京電力は30日、福島第1原発事故の収束作業に従事した40代の男性が、急性白血病で死亡したと発表した。同原発での被ばく放射線量は累計で0.5ミリシーベルトで、東電は「収束作業との因果関係はない」としている。
 東電によると、男性は8月上旬から7日間、同原発で休憩所の出入りや放射線量を管理する業務に従事。勤務を終えた後に体調を崩して入院し、東電は16日に死亡の報告を受けた。
 勤務前の健康診断で異常はなかったという。被ばく量のうち、内部被ばくはゼロだった。
(2011/08/30-12:38)




ベータ線設定値超えて作業
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110915/t10015611391000.html
9月15日 5時34分  

東京電力福島第一原子力発電所で汚染水を処理する装置の修理をしていた作業員の少なくとも4人が、放射線の一種、ベータ線を測定する線量計が退避を知らせる設定値を超えていたにもかかわらず、作業を続けていたことが分かりました。4人の被ばく量は、法律で定められた上限値を下回っていますが、福島第一原発では、先月下旬から予定外の被ばくをするケースが相次いでいて、東京電力の対応が問われています。
福島第一原発では、14日午前、汚染水を処理する装置で壊れた機器を交換していた作業員4人が、ベータ線を測定する線量計が退避を知らせる設定値の5ミリシーベルトを超えていたにもかかわらず、作業を続けていたことが分かりました。ベータ線は、皮膚から体内に通りにくく、緊急時の作業の被ばく量は、法律で1000ミリシーベルトと定められていますが、4人の被ばく量は、最大で9.5ミリシーベルトで、健康に問題はないということです。現場には、放射線を管理する担当者もいて、線量計のアラームも鳴っていたとみられるということで、東京電力は、原因とともに、近くにいた17人についても問題がなかったか調べています。福島第一原発では、先月下旬にも、東京電力の社員2人が設定値を超えてベータ線を被ばくしたほか、作業員2人が汚染水を誤って浴びるなど、予定外の被ばくをするケースが相次いでいて、東京電力の対応が問われています。





作業員延べ66万人、5人死亡=100ミリ超被ばく169人-東電
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011121600937

 東京電力福島第1原発では、3月の事故発生から「冷温停止状態」の宣言までに、延べ66万人の作業員が現場に入った。第1原発ではこれまでに5人が死亡、第2原発でも1人が亡くなっている。
 第1原発では津波で東電社員2人が死亡したほか、復旧作業中に3人が急死した。東電は心筋梗塞などが原因と発表し、被ばくとの関係を否定している。
 東電によると、第1原発で働く同社や下請け企業の作業員の中で、外部被ばくと内部被ばくを合わせた累積被ばく線量が、発がんリスクを上昇させると言われる100ミリシーベルトを超えた人は10月末時点で計169人いた。うち200ミリシーベルトを超えた作業員は9人に上り、最も多い人は約678ミリシーベルトに達しているという。
(2011/12/16-20:50)




 被ばく隠し 作業員いての原発処理
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012082502000123.html
2012年8月25日
 
 東京電力福島第一原発で作業員の被ばく線量がごまかされていた。多重の下請け構造で、労働者の命や健康が脅かされている。国は事業者に対し、被ばく線量管理や偽装チェックを徹底すべきだ。
 本末転倒の犯罪的行為だった。
 東電の孫請け会社の役員が、作業員の線量計を放射線を下げる効果のある鉛カバーで覆い、実際の線量よりも低く見せ掛けようと命じた。労働安全衛生法はもちろん、刑法にも触れかねない。
 作業員の被ばく線量は年間許容量が定められ、上限になると働けない。現場では以前から線量のごまかしが行われていたとされ、発覚したのは氷山の一角である。
 ほかのケースで従事した作業員は証言している。「高線量の場所で警報が鳴らないように線量計のスイッチを切った」「線量計を身につけずに作業場の外に出していた」。これまで目を向けられてこなかった現場の実態と問題が浮かんでくる。
 東電は不正発覚を受け、福島第一原発で昨年六月以降、線量計を紛失したり、装着していなかったケースが二十八件あったという調査結果を公表した。ずっと偽装は見て見ぬふりをされて、対策は怠られてきた。
 原発作業は、東電をトップに約四百社がピラミッドをつくる。プラントメーカー、子会社、孫請け、小規模事業者、一人親方…。下へ、下へと降ろされる間に手数料がピンハネされ、末端で働いているのは多くが立場の弱い日雇いの労働者だ。
 作業員が集まりにくいと暴力団を使った強引な人集めもはびこることになる。発覚した例も、派遣許可のない業者から送り込まれたり、口利き業者が絡んだ違法な多重派遣だった。これでは作業員が病気になっても事業者の責任はあいまいにされてしまう。労災を申請しようにも被ばくの証明が難しく、救済できなくなる。
 3・11事故で高線量の作業が増え、一人一人の被ばく線量を足しあげた「被ばく総線量」は、事故前の十六倍に跳ね上がっている。健康に対する不安は増すばかりである。
 今後四十年かかる廃炉も中心を担うのは末端の作業員だ。許容線量が上限に達した作業員が雇用保険もなく、雇い止めにされる問題もある。国は事業者に被ばく線量と健康の管理を徹底させ、作業員が安心できる生活保障の道筋をつくっていってもらいたい。





福島原発:「線量管理おろそか」元作業員、労基署に訴え
毎日新聞 2012年11月01日 20時51分(最終更新 11月01日 20時52分)
http://mainichi.jp/select/news/20121102k0000m040073000c.html

 東京電力福島第1原発事故の収束作業に従事した福島県いわき市の元原発労働者の男性(46)が1日記者会見し、東電と作業を請け負った関電工(東京都港区)を労働安全衛生法違反に当たるとして福島県・富岡労働基準監督署に申し立てたことを明らかにした。男性は「高い放射線量下で安全措置がおろそかな状態で働かされた。少しでも安全な働き方を考えてもらえれば」と訴えた。

 ◇東電と関電工に是正求める

 男性はいわき市の電器メンテナンスの会社に所属。東電が発注し、関電工が元請けとなった仕事の2次下請けだった。昨年3月24日に3号機のタービン建屋内で、電源ケーブルを敷設する作業に当たった。

 申告書や男性によると、作業前に「線量が若干高いが作業に支障はない」との説明を受け、被ばく線量計を毎時20ミリシーベルトに設定して作業に入った。だが、実際には建屋地下には高濃度の汚染水がたまっており、数分で線量計のアラームが鳴り始めた。

 東電の作業グループは地下の空間線量を測定し、「線量が毎時400ミリシーベルトを超えている」と現場から撤収したにもかかわらず、男性らの作業は続行された。男性は長靴を履いておらず、たまり水に危険を感じたことから地下での作業を拒否した。最終的に作業は全体で40?60分行われ、関電工と1次下請けの3人は地下での作業を行い、1回の作業で173?180ミリシーベルトを、男性は11.15ミリシーベルトを被ばくした。

 申告書では、関電工が高線量の場所にとどまって作業を続けさせるなど安全対策を怠ったこと、東電は違反行為を防止する措置を怠ったことが労働安全衛生法違反に当たるなどとして、線量管理のあり方の是正などを求めている。男性は「今年3月以降は会社から仕事もなく実質的に解雇された。原発の末端で働く者は危険な状態で働いていても訴える機会もなく、使い捨てられる」と述べた。

 関電工は「詳細を知らないが、労基署の判断に従いたい」とコメントした。東電広報部は「非常事態に復旧作業にあたり高線量の被ばくをした労働者には申し訳なく思っている。労基署の求めがあれば真摯(しんし)に対応したい」と話している。【東海林智】




国支払いの除染事業 健診・講習費 作業員持ち
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013011302000086.html
2013年1月13日 朝刊

 東京電力福島第一原発事故に伴う国直轄の除染事業で、作業員の健康診断や安全講習の費用は国から出るにもかかわらず、業者が作業員本人に負担させていたことが、作業員らへの取材で分かった。除染事業をめぐっては、作業員への不透明な給与支払いが横行。今回の問題も、従業員の健康確保などを定めた労働安全衛生法などに抵触する恐れがある。 
 被ばくの危険がある除染作業では、業者は作業員を雇う際に、白血球の数など詳細な健康診断を受けさせるよう国の規則で義務付けている。除染作業には不可欠の草刈り機も、使うには安全講習を受ける必要がある。
 福島県田村市で除染に従事している作業員らによると、採用の際に健康診断や講習を受け、その場で費用を自分で支払ったり、いったんは業者が支払った後に「立て替え金」として給料から天引きされた人が多くいた。
 しかし、健康診断も講習も、費用は放射線防護や安全管理に必要な経費として、発注元の国が業者に支払うことになっている。業者の負担はないため、作業員に費用を負担させれば、その徴収分は業者の不当利得になる。
 また、作業中の被ばくを減らすために着用を義務付けられている防じんマスクも、業者が支給せず、作業員たちは性能の低い安いマスクを自分で買って着用している事例もあった。マスクに関しては国が業者を指導し、現在ではおおむね改善されているという。
 作業員の中には採用時に、作業着や長靴、ゴム手袋、草刈りがまなどを自分で用意するよう、業者から口頭やメールで指示された人もいた。
 これらをだれが負担すべきなのか明確な規定はないが、作業員の中には買いそろえるお金がなく、業者から十万円を前借りして、給料から天引きで返済した人もいた。





原発元作業員:警報の中、線量計外し汚泥除去 実名で証言
毎日新聞 2013年05月05日 11時25分(最終更新 05月05日 20時54分)
http://mainichi.jp/select/news/20130505k0000e040120000c.html

双葉町ネットの活動報告会で発言する石澤治彦さん=東京都内で2013年4月22日、西本勝撮影
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 ◇福島県双葉町出身の47歳

 東京電力福島第1原発などで18年間、原発作業員として働いた青森県弘前市の無職、石澤治彦さん(47)が毎日新聞の取材に応じ、放射線量の高い場所では線量計を持たずに働くなど、危険な被ばく労働の実態を証言した。元原発作業員による実名での証言は異例。石澤さんは健康の悪化から失職して妻子とも別れたといい、「自分と同じ後悔は誰にもさせたくない」と口を開いた。【袴田貴行】

 ◇「工期優先、被ばく隠し」離職・闘病の実態も

 石澤さんは福島県双葉町出身。20歳から9年前まで、福島第1原発を中心に各地の原発で働いた。個人事業主の立場で元請け企業と請負契約をし、主に現場の線量をチェックする放射線管理員を務めた。

 石澤さんによると、同原発1号機のプラント改良工事に従事した93年ごろ、圧力抑制室にたまった汚泥の除去作業で線量を測定しかけたところ、累積線量を測る個人線量計の警報が鳴り出した。しかし、元請けの現場監督から工期が遅れるとして続行を指示され、被ばく隠しのため線量計は外した。毎時30シーベルトまで測れる放射線測定器の針が振り切れ、防護服を着ても作業できないレベルだったが、同僚約50人とバケツリレーで汚泥を除去した。

 今も所持する放射線管理手帳に記された累積被ばく線量は95・15ミリシーベルト。法令上の被ばく線量限度内だが、しばしば線量計を外して作業していたため「実際はその5倍か10倍か分からない」。

 また同年ごろ、1号機で炉内の冷却水を循環させるジェットポンプの清掃に携わった時には、同僚と誤って高濃度汚染水のプールに転落。同僚は右腕骨折の重傷だったが、元請けの現場監督は「けががばれないように放射線管理区域から出るように」と指示。事故は公表されなかった。

 35歳ごろからは難聴や倦怠(けんたい)感に苦しんだ。妻と2男1女を抱え、失職を恐れて病院の健康診断書をパソコンで偽造し、元請け企業に出すようになった。だが38歳の時に元請け指定の病院で健診を受けさせられ、白血球の異常増加が判明。「もう働かせられない」と言われ、診断書偽造の弱みもあって争わずに職場を去った。体調悪化で別の現場で働くこともできず、自ら切り出して妻と離婚した。





危険手当ピンハネ今も 除染作業員ら支援集会
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013070702000119.html
2013年7月7日 朝刊
 
 東京電力福島第一原発事故に伴う除染に携わる作業員らが、直面する問題を話す集会が六日、東京都文京区で開かれた。国直轄の事業で支払われる危険手当が今も事実上ピンハネされている実態や、ずさんな安全管理など変わらぬ現状が報告された。 (片山夏子)
 集会は、除染や原発作業員を支援する「被ばく労働を考えるネットワーク」の主催。
 「多重構造の中でひどいピンハネがされていた」。昨年、福島県楢葉町の除染に携わった男性(32)は、そう訴えた。日当は一万円。ところが、国から別に危険手当一万円が出ていると知った。会社に指摘すると、危険手当が支払われたかのように給料明細が改ざんされた。一方的に日当が県の最低賃金まで下げられ、危険手当と最低賃金から、会社が出すはずの宿代や食事代が引かれた形になった。
 田村市で国直轄の除染作業をした男性(60)は日当一万千円で、危険手当はなかった。やめた後、危険手当未払いが問題になり、同僚は帳尻合わせの契約書を書かされた。「今、郡山市の除染で日当が一万三千円。国の危険手当がない地域だが、前よりも高い」
 ネットワークのメンバーは、「同じ元請けや業者の作業なのに、国直轄で危険手当が支払われる地域と支払われない地域の日当が変わらない。ピンハネは明らか」と指摘。今は雇用時に、危険手当と最低賃金から宿代を引いたとする書類を書かされる形が、固定化されているという。
 国の指示で行われた聞き取り調査が、元請け会社社員同席の場で行われる。アンケートに「問題なし」と書かないと解雇される。そうした実例を挙げ「賃金でも安全管理でも、文句を言う作業員は解雇されている。国の調査も問題。帳尻合わせされた書類だけを見て『問題ない』としている」とした。
 除染作業員の被ばく線量管理がきちんとされていないことも報告され、懸念が出た。
 集会には、除染現場の住民の姿も。郡山市の佐藤昌子さんは「国が田村市で行った住民説明会では『目標の線量まで落ちなくても住民が自己管理すればいい』と説明されたと聞く。賠償金打ち切りか再稼働のためか知らないが、戻れないうちに帰すのは誠意あるやり方と思えない」と国の姿勢に憤った。